秋田藩主佐竹義隆由来の神社
田沢湖の青をバックに、朱色が際立つ御座石神社の鳥居。御座石(ござのいし)神社という社名は、慶安三年(一六五〇年)に秋田藩主佐竹義隆公が田沢湖を遊覧した際、腰をかけて休んだことに由来する。
朱塗りの鳥居のそばには、一本の木から七種類の木が生えた「七色木(なないろぎ)」や、たつこが飲んで龍となった「潟頭(かたがしら)の霊泉」、たつこが姿を映した「鏡石」などの名所も。
辰子がまだ田沢湖の主になる前……。親孝行な辰子は、山菜取りなどでよくこの辺りに来た。そこには、鏡のように磨かれた不思議な石があり、鏡などない時代、たつこはこの鏡石に向かって髪を結いねんごろに化粧をしたと伝えられている。
鏡石は、御座石神社の背後にある高鉢山(571m)の中腹に。急こう配の山道を約十五分。たどり着いた木製の展望デッキから数十m先に望むことができる。ぜひ一度は訪れていただきたい観光スポットだ。